Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
松も三四十年の若い木ばかり芝の上に並んでいる。春先弁当でも持って遊に来るには至極結構だが、ところが満洲だけになお珍らしい。余は痛い腹を抑えて、とうとう天辺まで登った。するとそこに小さな廟があった。正面に向って、聯などを読んでいると、すぐ傍で梭の音がする。廟守でもおりそうなので、白壁を切り抜いた入口を潜って中へ這入った。暗い土間を通り越して、奥を覗いて見たら、窓の傍に機を据えて、白い疎髯を生やした爺さんが、せっせと梭を抛げていた。織っていたものは粗い白布である。案内の男が二言三言支那語で何か云うと、老人は手を休めて、暢気な大きい声で返事をする。七十だそうですと案内が通訳してくれた。たった一人でここにいて、飯はどうするのだろうと、ついでに通訳を煩わして見た。下の家から運んでくるものを食っているそうであった。その下の家と云うのがすなわち梨畠の主人のところだと案内は説明した。
やがて、山を降りて梨畠へ行こうとしたが、正門から這入るのが面倒なので、どうです土堤を乗り越そうじゃありませんかと案内が云い出した。余はすぐ賛成して蒲鉾形の土塀を向側へ馳せ下りた。胃は実に痛かった。