Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
これは主人の実歴談である。
サンパンは妙なところへ着いた。岸は芦を畳んでできている。石垣ではなくて芦垣である。こうしなければ水の力で浚われる恐れがあると云う。芦はいくらでも水を吸い込んで平気でいるから無難だと見える。細い小路を突き抜けると、支那町の真中へ出た。妙な臭がする。先刻から胸が痛むのでポッケットから、粉薬を出して飲もうとするがあいにく水がない。一滴の飲料も用いずに散薬を呑み下す方法は、その後苦し紛れに発見した分別だが、この時はまだそれほど老練な患者でないので、拝むように主人を煩わした。主人はええ訳はありませんと云いつつも、ずいぶん烈しく引張り廻した上、ほとんど苦しくって道傍に竦みそうになった頃、ようやく一軒の店へ這入った。盆栽などの据えてある中庭を通り抜けて角の一部屋へ案内されたが、水はなかなか出る様子がない。そのうち、こちらへと云ってまた二階へ招ぜられた。虫のように段々を上って廊下から室へ這入ると、日本人が二三人事務を執っている。さあどうぞと椅子を与えられたので、挨拶をして始めて解ったが、水を貰いに飛び込んだところは日清豆粕会社で、さあどうぞと迎えてくれたのは、社員の倉田君である。