Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
突き当りにある楼門のような所へ這入ったら、今度は大きな亀の背に頌徳碑が立ててあった。亀も大きかったが、碑も高い。蒙古と満洲と支那の三国語で文章が刻ってある。後へ出ると隆恩門と云うのが空に聳えていた。積み上げたアーチの上を見ると三層あった。左右に回らしてある壁も尋常ではない。あの上を歩いて見たいと番頭に頼むと、ええ今乗って見ましょうと云って中へ這入った。中は真四角に仕切ってある。正面にある廟の横から石段を登って壁の上へ出ると、廟の後だけが半月形になっていわゆる北陵を取り巻いている。
支那の小僧が跣足で跟いて来た。番頭を捕まえてしきりにこそこそ何か云っている。番頭に聞くと、ええなにと曖昧な答をする。また聞き返したらこう云った。――屋根の廂の所に着けてある金の玉を、この間一つ落ちた時に、拾っておいたから、買ってくれと云うんです。表向にすると厳しいものですから、こうして見物に来た時、そうっと売りつけようてんで、支那人は実に狡猾ですからね。
支那の陵守も無論狡猾だろうが、金の玉を安く買おうと云う番頭もあまり正直な方じゃない。番頭はそっと銭をやって金の玉をポッケットへ入れたようである。