Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
旅順を見ないなら教えるが、いつの汽車で行って、どことどこを見て、それからいつの汽車で帰るが好いと、自分のやった通りを委しく語って聞かせた。余はなるほどなるほどと聞いていた。次に御前は門司を見たかと聞いた。次にあすこの石炭はもう沢山は出まいと聞いた。沢山は出まいと答えた。実は沢山出るか出ないか知らなかったのである。
しばらくして、君は旅順に行った事があるかとまた同じ事を尋ね出した。少々変だが面倒だから、いやまだだと、こっちも前同様な返事をしておいた。すると旅順に行くには朝八時と十一時の汽車があって……とまた先刻と寸分違わないような案内者めいた事を云って聞かせた。先が先だから余も依然としてなるほどなるほどを繰り返した。最後に突然御前は日本人かと尋ねた。余はそうだと正直なところを答えたようなものの、今までは何国人と思われていたんだろうかと考えると、多少心細かった。
余は日本人なりの答を得るや否や、この男が、おれも四十年前横浜に行った事があるが、どうも日本人は叮嚀で親切で慇懃で実に模範的国民だなどとしきりに御世辞を振り廻し始めた。せっかくだとは思ったが、是公との約束もある事だから、好い加減なところで談話を切り上げて、この老人と別れた。