Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
その時政樹公は、サー・ロバート・ハートの子分になって、やはりそこの税関に勤務していた。政樹公の大学を卒業したのは余より二年前で、二人共同じ英文科の出身だから、職業違いであるにかかわらず、比較的縁が近いのである。
政樹公の姓は立花と云って柳川藩だから、立派な御侍に違ない。それをなぜ立花さんと云わないで、政樹公と呼ぶかと云うに、同じ頃同じ文科に同藩から出た同姓の男がいた。しかも双方共寄宿舎に這入っていたものだから、立花君や立花さんでは紛れやすくていけない。で一方は政樹という名だから政樹公と呼び、一方は銑三郎という俗称だから銑さん銑さんと云った。なぜ片っ方が公なのに、片っ方はさんづけにされてしまったのか、ちょっと分らない。銑さんの方は、余と前後して洋行したが、不幸にして肺病に罹って、帰り路に香港で死んでしまった。そこで残るは政樹公ばかりになった。したがって政樹公をやめて立花君と云ったって、少しも混雑はしないのだが、つい立花よりは政樹公の方が先へ出る。やっぱり中村とも総裁とも云わないで是公と云い馴れたようなものだろう。
ここだと云うので、二人馬車を下りて税関に這入って見ると、あいにく政樹公は先刻具合が悪いとかで家へ帰った後であった。