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Japanische Klassiker mit Furigana

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まんかんところどころ

満韓ところどころ

夏目 漱石

Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

やむをえず、しかつめらしい顔をして、満鉄のやっているいろいろな事業一般について知識を得たいと述べた。――何でも述べたつもりである。固より内心に確乎たる覚悟があって述べる事でないんだから、顔だけはしかつめらしいが、述べる事の内容は、すこぶる赤毛布式に縹緲とふわついていたに違ない。ただ今から顧みても、少し得意なのは、その時余の態度挙動は非常に落ちついて、魂がさも丹田に膠着しているかのごとく河村さんには見えたろうという自覚である。人を欺し終せて知らん顔をしているのは善くない事だから、ここで全く懺悔してしまうが、実を云うと、その時は胃がしくしく痛んで、言葉に抑揚をつけようにも、声に張りを見せようにも、身体に活気を漲ぎらせようにも、とうてい自己が自己以上に沈着してしまって、一寸もあがきが取れなかったのである。

そこへ大きな印刷ものが五六冊出て来た。一番上には第一回営業報告とある。二冊目は第二回で、三冊目は第三回で、四冊目は第四回の営業報告に違ない。この大冊子を机の上に置いて、たいていこれで分りますがねと河村さんが云い出した時は、さあ大変だと思った。今この胃の痛い最中にこの大部の営業報告を研究しなければすまない事になっては、とうてい持ち切れる訳のものではない。