Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
そうしてその感じが家にも往来にも、美しい空にも、一面に充ちている。余は開廊の手摺を掌で抑えながら、奥にいる橋本に、淋しいなあと云った。旅順の港は鏡のごとく暗緑に光った。港を囲む山はことごとく坊主であった。
まるで廃墟だと思いながら、また室の中に這入ると、寝床には雪のような敷布がかかっている。床には柔かい絨毯が敷いてある。豊かな安楽椅子が据えてある。器物はことごとく新式である。いっさいが整っている。外と内とは全く反対である。満鉄の経営にかかるこのホテルは、固より算盤を取っての儲け仕事でないと云う事を思い出すまでは、どうしても矛盾の念が頭を離れなかった。
食堂に下りて、窓の外に簇がる草花の香を嗅ぎながら、橋本と二人静かに午餐の卓に着いたときは、機会があったら、ここへ来て一夏気楽に暮したいと思った。
二十三
旅順に着いた時汽車の窓から首を出したら、つい鼻の先の山の上に、円柱のような高い塔が見えた。それがあまり高過ぎるので、肩から先を前の方へ突き出して、窮屈に仰向かなくては頂点まで見上げる訳に行かなかった。
馬車が新市街を通り越してまたこの塔の真下に出た時に、これが白玉山で、あの上の高い塔が表忠塔だと説明してくれた。