Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
中には眼鏡を出してこっちを眺めているのもあった。けれども見るうちに眼鏡は不必要になった。髪の色も眼鼻立も甲板に立っている人は御互に鮮かな顔を見合せるほど船は近くなった。その時は全く美しかった。と思うと、船は今までよりも倍以上の速力を鼓して刹那に近寄り始めた。海の水を細い谷川のように仕切って、営口丸の船体が、六尺ほどの眼の前に黒く切っ立った時は、ああ打つかるなと思った。途端に向うの舳は余の眼を掠めて過ぎ去りつつ、逼りつつ、とうとう中等甲板の角の所まで行ってどさりと当った。同時に甲板の上に釣るしてあった端艇が二艘ほどでんぐり返った。端艇を繋いであった鉄の棒は無雑作に曲った。営口丸の船員は手を拍ってわあと囃し立てた。余と並んで立っていた異人が、妙な声を出してダム何とか云った。
一時間の後佐治さんがやって来て、夏目さん身をかわすのかわすと云う字はどう書いたら好いでしょうと聞くから、そうですねと云って見たが、実は余も知らなかった。為替の替せると云う字じゃいけませんかとはなはだ文学者らしからぬ事を答えると、佐治さんは承知できない顔をして、だってあれは物を取り替える時に使うんでしょうとやり込めるから、やむをえず、じゃ仮名が好いでしょうと忠告した。