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Japanische Klassiker mit Furigana

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ためいきのへや

溜息の部屋

山本 周五郎

Lesen Sie 溜息の部屋 (ためいきのへや) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.369 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

と叫んだ。

「君は、何の権利があって、そんなに僕を侮辱するんだ、僕が何をしたというんだ、僕は君から、一銭だって借りてやしない」

「は、は、は」

安土竜太郎は、調子のはずれたからっぽな声で笑うと、卓子の上へ頭を抱えて俯伏した。勇助はそれを見ると、ふいに刺すような口調で、

「分った」

と云った。

「分ったよ、君。君は八千代に惚れているんだ、僕の女房にさ」

竜太郎はびくっと身を顫わせて顔をあげた。根来勇助は歪んだ、意地の悪い冷笑を、竜太郎の眼へ射込みながら続ける。

「誰でもそうだ、みんなが八千代に惚れる、そして僕に自殺をしろと云う、だが僕だってまんざら馬鹿じゃない、知っているんだ、君がなぜそんなことを云うか――ねえ」

安土竜太郎は拳を握って立上った。するとおりよくそこへ八千代が入って来たのである。それからあとの安芝居をここに書く必要はあるまい、竜太郎と勇助とは握手をした。

十二月三日、土曜日の夜の舞台で、ファウストの宝石の歌をうたいながら、根来八千代は突然に咯血して倒れた。

安土竜太郎とでぶの米八に楽屋へ担ぎこまれた彼女は、炉端に急造された綿天鵞絨の椅子のベッドに横たわって、きょとんとした眼つきで四辺を見廻しながら、