Japanische Klassiker mit Furigana
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
Lesen Sie 滝口 (たきぐち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.815 Zeichen · 99 Bildschirme
けれどもなんだかこわい、恐ろしいような気がする、とおりうはふるえ声で云った。もう少しいただいていいかしら、あたし躯のふるえが止まらないんです。いいとも、飲むのは構わないが、酔いを借りた返辞は信じないぞ、と安宅が云った。
「いつだったか、あなたは」と盃に三つほど飲んでからおりうが云った、「――女のおまえにできないことが、男のおれにできるかって仰しゃったわね」
「そうだったかな」
「あの人がここへ文句をつけに来たあとのことよ、あなたはなにも云い返さずに、黙ってお帰りになったわ」とおりうは云った、「どうしてなにも云わないままでお帰りになったのかって、あたしがうかがったら、そう仰しゃったわ」
「つまらないことを云ったもんだな」
「いいえ、つまらないことなんかじゃありません」おりうはかぶりを振った、「あたしはあの人に、はっきりけじめをつけなければいけなかったんです、それをそうしないで逃げてしまった、あの人の執念には勝てないように思ったからです、小さいときから自分は男まさりで、どんな相手にも負けないつもりでいたのに、あの人にだけはどうにも立向かえない、っていう気持からぬけられなかったんです」