Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうしのむすめ
漁師の娘
徳冨 蘆花
Lesen Sie 漁師の娘 (りょうしのむすめ) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.592 Zeichen · 23 Bildschirme
万作夫婦は日々に生いたつお光に慰められて、蝶花と愛しみながら、「妙な子だのう」「妙な子だよ」斯く語り合った。
文化の沢は此の島村にも及んで、粗末ながら小学校の設けがある。お光八つにもなると路が遠いに伴もないからよせと父母の拒むも聞かないで、往来一里の路を日々弁当さげて通う。何処の誰の血を承けたか、口数はきかないが学才すぐれて、暫の間に村長の子と威張る十一二の小供までも追い越して級第一の位を占めた。先生は可愛がる。嫉妬が起る。女連は同盟して、お光を法外にする。男児連は往来毎にお光を窘める。併しお光は避け隠れして取り合わぬ。其の内誰かお光坊は拾いっ子だ、捨てっ子だ、といい出して、果はみんなが拾っ子やあいやあい、と囃し立てる。其の夕お光は家に帰るといきなり、母に向い「母ちゃん、あたいは拾いっ児? え、捨っ児?」。母はぎょっとしたが取り直し「あに、拾いっ児なもんか。嘘よっ」
明夕お光はまた帰って来るとすぐ「母ちゃんあたい拾いっ児なの、え、拾いっ児」。「あに」と言いは言ったものの、其れから毎晩毎晩思い込んでせきかけせきかけお光が問うので、母も外で漏れては内で塞いでも詮ないとでも思ったか、或夜お光を膝にかき抱きて、涙ながらに話し聞かした。