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Japanische Klassiker mit Furigana

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らどうせんせい

潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集 (らどうせんせい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.093 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、室の中央には、牛肉屋の俎板のような大きなデスクが頑張っている。ところで蘿洞先生はさっきの上ッ張りを腰のあたり迄まくり上げて、そこから下にフランネルの寝間着を露わし、デスクの上へ腹ん這いになっている。小女はと云うと、先生の背中へ腰をかけて、両足をぶらん/\デスクの下へ垂れながら、先生の頭をコツンコツン叩いたり、頬ッぺたを摘まんだり、口の中へ指を突っ込んだりしているのだが、しかしふざけているのとは違う。小女の表情は陰鬱で、真面目くさって、恰も義務的の仕事を課せられているようである。その顔は、―――いや手も足も、きゃしゃで青白い。同様に先生の顔も以前の如く、何の変哲もない土気色を帯び、膨れッ面を小女の勝手にいじくらせてはいるけれども、それがいかにも詰まらなそうである。

間もなく小女は、なお先生の胴体の上に腰かけたまゝ、小さな一本の籐の笞を取り上げ、片手で先生の髪の毛を掴み、片手で先生の太った臀をぴし/\と打った。すると先生はその時始めて、少しばかり生き/\とした眼つきをして「ウー」と呻ったようであった。―――此の光景を物の半時間も覗いていた記者は、変な気がして、コソコソ逃げるように裏庭を出た。