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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねん

潤一郎ラビリンスI――初期短編集

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.319 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

なあに相場なんぞをやって居るより、あの方が性に合って、いくら好いか知れやしない。今じゃ大分身入りもあるようだし、結句奴さんは仕合わせさ。」

などゝ、昔の彼を知って居るものは、時々こんな取り沙汰をします。日清戦争の時分には、海運橋の近所に可なりの仲買店を構え、事務員の四五人も使って、榊原の旦那などとは朋輩でしたが、其の頃から、

「彼の男と遊ぶと、座敷が賑やかで面白い。」

と、遊び仲間の連中に喜ばれ、酒の席にはなくてはならない人物でした。唄が上手で、話が上手で、よしや自分がどんなに羽振りの好い時でも、勿体ぶるなどゝ云う事は毛頭なく、立派な旦那株であると云う身分を忘れ、どうかすると立派な男子であると云う品位をさえ忘れて、ひたすら友達や藝者達にやんやと褒められたり、可笑しがられたりするのが、愉快でたまらないのです。華やかな電燈の下に、酔いの循った夷顔をてか/\させて、「えへゝゝゝ」と相好を崩しながら、べら/\と奇警な冗談を止め度なく喋り出す時が彼の生命で、滅法嬉しくてたまらぬと云うように愛嬌のある瞳を光らせ、ぐにゃりぐにゃりとだらしなく肩を揺す振る態度の罪のなさ。