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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねん

潤一郎ラビリンスI――初期短編集

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.319 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

そう云う風ですから、藝事の上手なのも無理はありません。

彼を本職の幇間にさせたのは、全く榊原の旦那の思い附きでした。

「お前もいつまで家にごろ/\して居ても仕方があるめえ。一つ己が世話をしてやるから、幇間になったらどうだ。只で茶屋酒を飲んで其の上祝儀が貰えりゃあ、此れ程結構な商売はなかろうぜ。お前のような怠け者の掃け場には持って来いだ。」

こう云われて、彼も早速其の気になり、旦那の胆煎りで到頭柳橋の太鼓持ちに弟子入りをしました。三平と云う名は、其の時師匠から貰ったのです。

「桜井が太鼓持ちになったって? 成程人間に廃りはないもんだ。」

と、兜町の連中も、噂を聞き伝えて肩を入れてやります。新参とは云いながら、藝は出来るしお座敷は巧し、何しろ幇間にならぬ前から頓狂者の噂の高い男の事故、またゝく間に売り出して了いました。

或る時の事でした。榊原の旦那が、待合の二階で五六人の藝者をつかまえ、催眠術の稽古だと云って、片っ端からかけて見ましたが、一人の雛妓が少しばかりかゝっただけで、他の者はどうしてもうまく眠りません。すると其の席に居た三平が急に恐気を慄い出し、

「旦那、私ゃあ催眠術が大嫌いなんだから、もうお止しなさい。