Japanische Klassiker mit Furigana
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しおかぜ
潮風
豊島 与志雄
Lesen Sie 潮風 (しおかぜ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.018 Zeichen · 25 Bildschirme
こういう気持、僕は嬉しかった。本当に君を愛してるからなんだ。ところが、君も僕を愛してる、本当に愛してるね、だから、君も多分、知ってる男にみんな逢ってみたい、ぱっとだよ、ぱっと逢ってみたい、そんな気になって、あっちこっちに電話でもかけて、そこまではよいが、なんしろ、相手は男だし、君の方は女だし、どんなことになるか分ったもんじゃないから……。」
「片野さん!」と彼女は叫んで、なおじっとその顔を見つめた。「今晩なにか、へんなことをしたんじゃない?」
「へんなことって……。」
「浮気かなにか。」
「そんなことをするくらいなら、君のことをこんなに心配しやしない。」
「あきれた。まるであたしだけが……どうすれば一体、安心が出来るの。そんな気持じゃあ、結婚でもしなければ、いつまでたってもだめよ。あんなに固く約束したじゃないの。」
「だけどさ、いつもこうなんだけれど……。」
佐代子が銚子を持ってくると彼はたて続けに杯をあげた。
「君と別れて、もう夕方だろう、一人でぼんやり街路を歩いてると、またすぐ君に逢いたくなるんだ。それが嬉しいようで淋しいようで、変梃なのさ。街路を通ってる女が、どれもこれも、まるで無関係な他国人のように見える。