Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひをてんず
火を点ず
小川 未明
Lesen Sie 火を点ず (ひをてんず) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.105 Zeichen · 9 Bildschirme
やがて、彼は、家に帰って、日暮れ方に近づいて店頭へくる客に、石油を量って渡していたのです。
「歩いていって売るときはおまけができないが、店にくる人には、すこしずつおまけをしよう。」
これが彼の心の掟となっていました。すこしでも量の多いのを喜んだ、このあたりの貧しい生活をしている人々は、わざわざ彼の店へやってきました。その中には、老人もあれば、若い女などもあったが、日が暮れても、まだ仕事の手を放さない、ほんとうに一刻をも争うその日かせぎの人々は、子供を使いにやるのでした。
この夜、幾百万の燭光を消費する都会の明るい夜の光景などは、この土地に住む人々のほとんどその話を聞いても理解することのできないことであったのです。
男は、店頭にきた、汚らしいふうをした子供を見て、どこかで見たことのある子供だと思いました。しかし、彼は、昼間石油のかんをのぞいた子供だということは思いに浮かばなかったのです。
子供は、一合の石油を買って、銭をそばに重ねてあった空き箱の上にのせて、小さな姿は店頭から消えました。
男は、うす暗くなった光線のうえで、箱の上にのせてあった銭を手に取り上げて、しらべて見ました。