Japanische Klassiker mit Furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Lesen Sie 火薬船 (かやくせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.552 Zeichen · 124 Bildschirme
なぜ船長ノルマンは、こんな映画をとったのであろう。そしてまた今、わざわざ竹見をよんで、強制的に見せたのであろう。これは油断がならないぞと思った瞬間、竹見の腹の中は、熱湯が通ったようにあつくなった。
「わしには、よく分らないが、平靖号を映画にとるなんて、フィルムの方が勿体ないじゃないですか」
「ふふふふ。相手は平靖号だから、こうして貴重なフィルムをついやすだけの値打があるわけさ」
「ふん、ばかばかしい。きつい道楽というものですよ。とび魚のとんでいるところや、甲板を怒濤があらうところなどをとっておいた方が、よほど値打がありますよ」
「あはははは。そう狼狽しないでもいいじゃないか。この映画を見れば、平靖号の乗組員が、本当の中国人か、それとも偽せの中国人だか、よく分るのだ。これほど値打のある映画は、そうざらにあるものか」
そういって、船長ノルマンは、映写をとどめ、まどをあけて室内を明るくした。竹見は、ここでノルマンにとびつき、首をしめてやろうかとおもったが、むこうでも油断なく竹見の方に気をくばっていて、すぐにもピストルをつきつける用意のあるのが見えた。
(もう、これは諦めるしかない)