Japanische Klassiker mit Furigana
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はいかぐら
灰神楽
江戸川 乱歩
Lesen Sie 灰神楽 (はいかぐら) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.262 Zeichen · 27 Bildschirme
「…………」
「それから又、こういうこともある。人間というものは、何かを探す場合、なるべく目につかない様な所、部屋の隅々とか、物の蔭とかに注意を奪われて、すぐ鼻の先に抛り出してある、大きな品物なぞを見逃すことがある。これは面白い心理だよ。だから、最も上手な隠し場所は、ある場合には最も人目につき易い所へ露出して置くことなんだよ」
「だからどうだって云うのだい。僕等にして見れば、そんな暢気らしい理窟を云っている場合ではないんだが」
「だからさ、例えばだね」庄太郎は考え深そうに続けた「この火鉢だってそうだ。こいつは部屋の中で、最も目につき易い中央にある。この火鉢を誰かが調べたかね。殊に中の灰に注意した人があるかね」
「そんな物を調べた人はない様だね」
「そうだろう。火鉢の灰なんてことは、誰しも閑却し易いものだ。ところで君はさっき、兄さんが殺された時には、この火鉢のところに一面に灰がこぼれていたと云ったね、無論それはここにかけてあった鉄瓶が傾いて、灰神楽が立ったからだろう。問題は何がその鉄瓶を傾けたかという点だよ。実はね、僕はさっき、君がここへ来るまでに、変なものを発見したのだ。