Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はいかぐら

灰神楽

江戸川 乱歩

Lesen Sie 灰神楽 (はいかぐら) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.262 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、彼はそのまま、二階の方など見向きもしないで、外の広っぱへと駈け出して行く様子であった。

「あいつは、きっと知っているのだ。この部屋で何かがあったことを知っているのだ。それを態とそ知らぬ振りで、ボールを探す様な顔をして、その実は二階の様子を伺いに来たのだ」

庄太郎はふとそんな事を考えた。

「だが、あいつは、仮令銃声を疑ったとしても、俺がこの家へ来ていることは知る筈がない。あいつは、俺が来る以前から、あすこで遊んでいたのだ。この部屋の様子は、広っぱの方からは、杉の木立が邪魔になってよくは見えないし、たとえ見えたところで、遠方のことだから、俺の顔まで見別けられる筈はない」

彼は一方では、そんな風にも考えた。そして、その疑いを確める為に、障子から半面を出して、広っぱの方を覗いて見た。そこには、木立の隙間から、バットを振り振り走って行く、二郎の後姿が眺められた。彼は元の位置に帰るとすぐ、何事もなかった様に打球の遊戯を始めるのであった。

「大丈夫、大丈夫、あいつは何にも知らないのだ」

庄太郎は、さっきの愚な邪推を笑うどころではなく、強いて自分自身を安心させる様に、大丈夫、大丈夫と繰返した。