Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
私はレコードをかけて勝手に振つけをしたり、でたらめなメロディをつくってピアノの練習曲はおさらいしなかった。しかし、その我儘な振舞がかえってよかったのである。大人達は、私を天才的だと云った。私は、ますます調子にのって来た。そうして二年生に昇った頃、私は、恐しいことをするようになった。盗みである。充分に鉛筆やノートをあてがわれ、不自由するものは何一つなかったのに、私は盗むことに非常な快楽を発見した。私は、机を並べていた友達にそのことを訴え、忽ち仲間にしてしまった。私とその女の子は、毎日のように、文房具屋へ遊びにゆき、きれいな麦わらの箱や、小さな飾り花をとって来た。盗むということが悪いとは知らなかった。堂々とそれをみせびらかして英雄気取になっていた。小さい木の机の中には、たくさんの分取品がたまった。私はそれを級友にわけ与えて喜んだ。盗むことの喜びは、試験をカンニングすることまでに延長した。悪友の隣の女の子は、宿題をきちんとして来て、私のために毎朝みせてくれたし、試験の時、盗み見しても寛容な精神でいてくれた。その時分、私は数字に対して大へんな恐怖を持ち出した。