Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はいいろのきおく

灰色の記憶

久坂 葉子

Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme

Aozora Bunko

二学期に私は級長になった。そのことが又私を英雄気分にさせた。分列行進というのが毎週のように行われ、組の先頭にたって行進し、カシラーミギをかけた。唯一つ、この役目で辛いことがあった。それは、べんとうをたべる前に、教壇へたち、勅語や教訓を級友達に先だって大声でそらんじることであった。私は、暗誦がちっとも出来なかった。その頃、未だ九九がすらすらと云えなく、減算なども十指を使っている位だったから、長い勅語など、到底覚え切れなかった。私は短い、孝経の抜萃や明治天皇の御製ばかりをとなえていた。ある日、先生から、青少年にたまわりたる勅語や教育勅語もするように命ぜられた。私は口だけ動かし、皆の大声で唱えるあとから、チョボチョボついていった。それが堪らなく私の気持をかなしませ、家へかえって一生懸命暗誦ばかりしたが仲々覚えられなかった。

その頃の遊びで私を有頂天にさせたのは劇ごっこである。手まりやお手玉は、不器用な私は下手であり、いつも仲間はずれであった。劇ごっこは私の作った遊びで、ストーリーをこしらえておかないで、出鱈目に台詞のやりとりをしながら結末をつくるのであった。