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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

洗濯女の中には、善良な郵便配達ルーランのおかみさんが、まじっているようだ。……俺は筆を使いながら、遅まきながら画家になった自分をシミジミと幸福だと思った。俺はホントに幸福だ。……俺はまた、もう一枚田舎の小さい橋と、もっと大勢の洗濯女との風景を描いた。駅のそばのプラターヌの並木道も描いた。仕事のための着想は群がるように湧いて来る。だから孤独ではあってもそれを感じている暇もない。俺は蒸気機関車のように描きつづけている。グイグイと仕事が進む。一日に一枚ずつ時によると二枚も仕上げることがある。俺はまるで自分が日本に居るような気がする。俺はここに来てはじめて、自分を発見した。完全に独創的な画家として自分を打ち立てた。形も色も恐ろしい程にハッキリ見え、見たものを少しの疑いもなくカンバスに描ける。パリでは、いろいろの刺戟が強過ぎたし、他からの影響に動かされ過ぎて、自分を失い、乱れ疲れてばかり居たのだ。それがわかった。もう俺はどんなことがあっても自分を取り失いはしないだろう。テオよ、とは言っても俺はゴーマンにはなっていない。俺にはまだ傑作は描けない。俺の技術はまだギクシャクして完全ではない。