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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、俺はいつもカンバスに向うと、すべてを忘れてしまう。今日も描き進むうちに頭の痛いことは忘れてしまっていた。絵はうまく行きそうな気がした。そのうちに、ヒョッと風が吹いて来た。ああまた、ミストラルが来るなと思った。カンバスがゴトゴトした。そのため木立の色を塗りそこなった。それでパレット・ナイフを取ってけずり取ろうとして、ナイフの刀を見た瞬間に、ゴーガンの顔がナイフの向うからヒョイと覗いた。ゆうべ俺からアブサンのコップを投げつけられて、ジロリとこっちを見た顔だ。眼が軽蔑で光っている。その青い眼だ。……それを見ているうちに、俺はクラクラとしてあたりがすべて白くなり、そして、どこに居るかわからなくなった。遠くで、どこかの鐘が鳴りわたっていた。キリン、カン、キリン、カン、キリン、カン、遠い所で……

ルー さ、これでまとまった。絵の具箱は私が持ってあげます。行きましょう。

ヴィン ありがとう。いいんだ、僕が持つ。(立つが、すこしヨロヨロする)

ルー 大丈夫ですか?(ヴィンセントの片わきを支える)

ヴィン 大丈夫。(七つ道具をさげて立った姿は「製作へ」の中の自画像と全く同じである)