Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
ゴー ラシェル、お前は良い子だな。
ラシ だからね、そうしてよ!(もう一つ、別のがわにキッス)
ゴー フフ!
そこへ音もなくドアが開いて、ヴィンセント。絵の道具をさげ、ルーランと一緒に一杯ひっかけて来たと見え、すこし元気に、何の気もなく入って来たのが、ゴーガンがラシェルを膝の上に抱いているのを見て、サッと顔の色が変り、棒立ちになる。
ヴィン ……
ラシ あら、フウ・ルウ!
ヴィンセントの声 (観客の背後から、低い早口で)畜生! マルチニックの種牛め! この女まで俺から取り上げるのか? この女は俺の女だったんだ。アルルへ来て、絵を描きすぎて疲れてイライラしている俺を最初に慰め落ちつかしてくれたのはこの女だったんだ。この女は俺にとっては、自分の欲情の相手以上の存在だったんだ。俺の焼けてくるめく頭を、この女の乳の上にのせると、熱が引いて静かになりウトウト眠れた。それを、この畜生は、ただ一時の欲情だけで俺から取り上げるのか? こいつは俺の作品にいちいちケチをつけては、絵を描いて行く落ちついた気分を取り上げた。しょっちゅう議論を吹きかけては、俺の頭をメチャメチャに引っかきまわした。