Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
(カミソリを見て、左手で左の耳を掴み、引っぱって、ゆっくりと右手のカミソリを、その方へ持って行く。眼は正面をカッと見ている。……)
不意に暗くなって、何も見えなくなる。
潮が寄せるように、深いハミングが起る。
ハミングは嘆き唸るように次第に強くなる。
その中に――
エピローグ
スポットの中に白い小さい室が、夢のように浮びあがり、そこに四人の人間がいる。
室は病院の一室だということがわかる。
四人の人は、ヴィンセントとテオとルーランと若い看護婦。ヴィンセントは、一八八九年冬作の、毛帽をかぶり耳にホウタイをしてパイプをくわえた「自画像」の身なりをして、鉄のベッドに腰かけ、前にすえられたイーゼルのカンバスと、並べてすえられた大鏡とを等分に見くらべながら、パレットにチューブから絵具を並べている。痩せて鋭くなった顔だが、機嫌が良い。テオはホッと安心して疲れが一度に出て来た様子でグッタリと、しかしまだ心配そうな顔つきで兄を見守りながら、片隅の椅子にかけている。ルーランはカバンこそさげていないが、これから仕事に出かける途中に寄ったと言った制服姿で入口近くに立ってニコニコして眺めている。