Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
異様なのは当然だろう。第一、あんたが打たれたという空のコバルトは、私の塗った時とは恐ろしく黒っぽく変色しているんだ。褒めるなら、せめてそれくらいのことはわかった上で、もっとマシな絵を褒めなさい」とつぶやいて見たくなるのも、そのためかもわからないのである。
――それほど私にとって親しいものになってしまっていたゴッホではあるが、そのゴッホのことを自分が戯曲に書くことがあろうなどとは想ってみたこともなかった。だから去年のはじめ劇団民芸の諸君からそれをすすめられた時には二重にギクリとした。一つはとんでもないことをいわれた気持と、一つは何か道具はずれを鋭く刺されたような気持だった。いずれにしろ自分の力に及びそうには思われないので再三辞退したが、どうしても書けという。特に滝沢修君の熱意は烈しかった。それで、いろいろ考えたり調べたりしているうちに、自分に書けるだろうとは思えなかったが、これほど少年時代からゴッホに動かされて来ている人間だからゴッホのことを書く資格だけは有るのではないかと思った。するとパッと視界開けて書く気になった。
書くのはかなり苦しかった。画家の肉感を自分のうちにとらまえて離さないようにするため、原稿紙ののっている机のわきに常にイーゼルを立てて置き、時々カンバスに油絵具をつけては、指の先で伸ばしてみ