Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
ゴッホ君の好みもまんざらではない。見直したよ。うむ! そもそもこの、女の身体と言うものは――(フッと言葉が切れてしまう。ちょうどヴィンセントが描いていた全紙のシィヌの素描に目が行って、口がお留守になったのである。やがて、そのほとんど完成に近い絵の方へ三、四歩近づいて行き、妙な顔をして見ている)……
モーヴ (椅子にかけて)しかしねヴィンセント、私は君の従兄だ。それに君の両親やテオから、君の絵の勉強の指導をしてくれと頼まれている。つまり私には責任がある。それでこれまで、さんざん、いろんな忠告をしつづけて来た。だのに君は一つも聞いてくれん。石膏像のデッサンをもっとやった方がいいと言うと、アカデミスムはごめんだと言って、私に喧嘩を吹っかけて、石膏像を粉々に叩きこわしたね? いやいや、喧嘩のことはいいさ、とがめようとしているんじゃない。石膏像だって、それほど惜しいとは思わん。アカデミスムはごめんだと言うのもわかる。君も知っているように私自身アカデミックな絵は描いていない。むしろ反対だ。しかしだな、アカデミスムを、君のような意味で否定していいものかね? ……それを君は考えて見ようとはしない。