Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
へ! 果してそうだろうかね? まあいい、まあいい。今にあの女は君に嘘をついて、悪い病気をうつすかもわからないぜ? 酒を呑んで酔っぱらって、君の絵をやぶくかもわからないぜ? ハハ、君はミレエの絵の感傷的な説教主義にかぶれ過ぎたんだ。ディッケンズやミシュレのお涙ちょうだい小説を読みすぎたんだよ。
ワイセ (先程から二人の議論をよそに、身動きもしないで、全紙の素描に見入っていたのが、やっといくらかラクな態度になり、モーヴの言葉をヒョイと耳に入れて)うん、ミシュレか。ここにも書いてある。ええと、「悲しみ。世の中に弱い女が唯一人、打ち捨てられていて、よいのか? ミシュレ」
モーヴ それ見たまい。君はそんなふうな感傷的な文学を絵の中にまで持ちこんでいるんだ。私が心配するのは、それさ。絵は文学とは違う。文学などから切り離して独立させなければ絵は良くならない。人生の意義だとか、人生にわたると言うか、そう言ったふうの物語を持ちこんじゃならない。絵はもっぱら美を、美しいものを描くべきだ。
ワイセ うむ、たしかに、そういう所があるね、これにも。文学が持ちこんである。(言いながら、眼を素描から引き離そうとしても離せない)……しかしだな、この絵には、だな、そう言う所もあるし、なんと言うか……荒っぽすぎる。