Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

どうなすったんですの?

テオ ありがとうございます、モリソウの奥さん。いえ、この、兄のことではホトホト手を焼いていましてね、どうしようかと思っている所に、ちょうど、タンブランでゴーガンさんに逢ったものですから、お願いしようと思って、こうして――

ベルト そうですの、タンブランにいらっしたんですの? 私たちは、これから行くんです。どんな具合、それでお客さんは? ちっとは絵は売れてます?

テオ まだ一枚も売れていません。レストランでの絵の展覧会は珍しいので、客はまあ相当来ているようですけど。

エミ すると兄さんもタンブランですか?

テオ いえ、今日は朝から郊外の方へ写生に出かけて――シニャックさんと一緒じゃないかと思います。外に描きに行ってくれると、いくらか助かりますけど、帰って来ると忽ちまた、イライライライラして、とにかく一日中昂奮しているんですから。夜は夜で私をつかまえて、絵の議論です。私はこの、昼間のつとめで疲れていますし、それに身体もあまり丈夫でないものですから、静かにして早く寝たいと思っても寝せてくれません。寝せてくれと言うと、怒り出すんですよ。徹夜して議論を聞かされるのが二晩も続いたりすると、私はもうフラフラで、頭が変になりそうなんです。