Japanische Klassiker mit Furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme
とりわけ、入道雲はおもしろく、見あきることがなかった。
雲の峯は、いろいろにすがたをかえた。妙義山となり、金剛山となった。それがたちまち、だるまさんとなり、大仏さんとなった。ある時は、まっ黒いぼたんの花のかたまりのような雲が、みるみる横にひろがって、それが、兵隊さんがかけ足をするように、島の方に進んでくると、沖の方にはもう雨を降らし、うす墨の幕がたれさがっている。その雨の幕が、風といっしょに島におしよせて、いい飲み水を落してくれるのだ。
みんなは、このように、大自然と親しみ、じぶんたちのまわりのものを、なんでも友だちとしていた。
ものごとは、まったく考えかた一つだ。はてしもない海と、高い空にとりかこまれた、けし粒のような小島の生活も、心のもちかたで、愉快にもなり、また心細くもなるのだ。
いつくるか、あてにならぬ助け船を、あてにして待っている十六人。何年に一度通るかも知れない船のすがたを、気長に見つけようとしている十六人である。この中に、もし一人でも、気のよわい人があったら、どうなるだろう。
気のよわい人は、夜ねられない病気になるのだ。夜中に、人のねしずまったとき、空をあおいで、銀河のにぶい光の流れを見つめていると、星が一つ二つ、すっと長い尾を引いて流れとぶ。