Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むじんとうにいきるじゅうろくにん

無人島に生きる十六人

須川 邦彦

Lesen Sie 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) von 須川 邦彦 (すがわくにひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 100.616 Zeichen · 201 Bildschirme

Aozora Bunko

任務を交代して、水夫部屋へさがってもぬれたままねるのだ。

私は、はげますようにいった。

「もっと、精を出して、交代して漕げ。手のあいている者は、今のうちにいねむりをして、休んでおけ。島につけば、うんといそがしくなるから」

交代した漕ぎ手は、小声で、

「やんさ、ほうさ、ほらええ、ようさ……」

かけ声に合わせ、調子をとって、櫓、櫂を漕いだ。このかけ声が、いねむり連中には、なつかしい子守歌のように、ここちよいのである。

へさきに立って、小手をかざして前方を見ていた運転士が、目ざとく、水平線に一ヵ所、かすかにたなびくもののようなものを見つけた。

「あれっ」

「煙か」

「島か」

「あたった。うんと漕げっ」

数人が、同時にさけんだ。みんな立ちあがった。「あたった」というのは、めざす島が見えたとか、島に着いたとかいう、漁夫たちのことばだ。

見つけたのは、白い砂の、ひくい島。水面上の高さは、ほんの一メートルぐらい。草一本もない。周囲は、百メートルもあろうか。とても小さい島である。

ざくり。伝馬船が白砂の浜にぶつかって、ひらり、ひらり、みんなが島に飛びあがったのは、太陽のようすでは、正午ごろであったろう。