Japanische Klassiker mit Furigana
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
Lesen Sie 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.441 Zeichen · 43 Bildschirme
俺と彼らとの距離は、もう絶対的に広がってしまった。かえって、こうなると、もう競争心も、嫉妬も起らない。俺は彼らが流行作家として、持てはやされる事実を、平静に眺めていることができる。一人の天才が生れるために、百の凡才が苦しむことが必要だ。山野や桑田などが、持てはやされる陰には、俺一人ぐらいの犠牲はむしろ当然かも知れない。が、永久に無名作家として終る者は、俺一人ではあるまい。千五百枚の長篇が完成したかどうかは、きいてみないからわからないが、佐竹君は相変らず暗い顔をしている。そうして、文壇に新進作家が出るごとに、猛烈にけなしつけている。同人雑誌をけなしつけた吉野君も、相変らず健在である。が、あの人の創作が、相当な文芸雑誌に載ったことはまだ一度もない。
文壇においても、運がある点まで、重要な働きをしているのだ。そうでも思って、俺は諦めているのだ。が、俺はもう文壇について、考えることはよそう。作家としての生活以外に意義のある生活がないように思っていたのは、俺の迷妄だ。
俺はこの間、ヴェルレーヌの伝記を読んでいると、あのデカダンの詩人が晩年に「平凡人としての平和な生活」