Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
Lesen Sie 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.441 Zeichen · 43 Bildschirme
俺が、京都へ来た理由は、そういう点にもいくらかある。
十月一日。
なんとなく落着けない。ことに夕暮れが来るとそうだ。青い絨毯を敷き詰めたように、広がっている比叡の山腹が、灰色に蒼茫と暮れ初むる頃になると、俺はいても立っても、堪らないような淋しさにとらわれる。俺は自分で、孤独を求めてきた。が、その孤独は、すぐ俺を反噬し始めた。しかも、俺の孤独の淋しさの裏には、激しい焦躁の心が潜んでいる。東京にいる山野や桑田などが一日一日どんなに成長しているかを考えると、俺は一刻もじっとしてはおられないという気がする。俺が、研究室でバーナード・ショーの全集を漁っているうちに、桑田はかねがね書くといっていた三幕物の社会劇を、もうとっくに書き上げているかも知れない。俺が、教室でくだらないノートを作っている間に、山野はもう半分以上訳了していたハウプトマンの「織工」の出版書店を、見つけたかも知れない。そう思うと、俺はいよいよ堪らない気がする。今年中に、山野と桑田とは、文壇にともかくも、一個の足溜を築くかも知れない。俺はもう決してじっとしておられないのだ。
俺は、彼らに対抗するために、戯曲「夜の脅威」