Japanische Klassiker mit Furigana
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むざんやな
無惨やな
久生 十蘭
Lesen Sie 無惨やな (むざんやな) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.601 Zeichen · 16 Bildschirme
大変とは、どういう大変……いわれを聞こうか。まあ、これへ進め」
川合蔵人は上段の間の下まで進みでると、開きなおった体になって、
「大変と申したは、御領地所替の一段のことでござる。そもそも厩橋の城は、江戸城の繩張をそのままひきうつした二つとなき城で、これよりほか、そのほうに持たすべき城はない。よって、永代、所替をいたさず、この方よりも申しつけまじくと仰せあって、権現さまから、特に藩祖勘解由さまに下しおかれたよしに聞き及んでおります。なお、その節、城地に十六騎をお附けくだされ、以来、百四十年、当家において格別の家柄となっておりますが、十六騎の者どもは、城地に附属するものゆえ、姫路へ移りますれば、もはやご家来ではなくなり、重いお家の飾りが失われる仕儀になる。城地を求めて家格をひきさげるとは、そもそも、いかなる思い付……酒井の家風をご存じなら、権現さまとのお約束にも悖り、藩祖のお名を軽しめるがごとき愚かな所替は望まれぬはず。お上、ご所存をうけたまわりたい」
と息巻くようにいった。雅楽頭は額ぎわまで血の色をあげて、
「だまれ、口がすぎる。家風を知らぬとは、なにごとか」