Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

むげつものがたり

無月物語

久生 十蘭

Lesen Sie 無月物語 (むげつものがたり) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.485 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

さく花は千種ながらに梢を重み、本腐ちゆくわが盛かな

という和歌を添えてつくづくにねがいあげた。法皇はあわれに思い、東宮博士大学頭範雄の三男の範兼を葛木の婿にえらび、一千貫の嫁資をつけ嫁入らすようにとつよいご沙汰をくだした。

一説には、葛木の上書は公子が文案し、和歌も公子が詠んだものだといわれているが、たぶんそれは事実だったろう。おのれを持することの高い公子のような悧口な女が、どういうつもりで泰文のところへ後添いに来る気になったかと、いろいろに取沙汰されたものだが、国吉や泰博のはかない終りや、常ならぬ虐待を受けている三人の子供たちをあわれに思い、朝霞にかわって、泰文のでたらめな暴虐から護ってやろうと思ったのではなかろうか。葛木を泰文の邸から出したのはすべて公子の才覚だったとすれば、進んで後添いにきた公子の意外な行動も、それでいくぶん説明がつくのである。

そういう状況のうちに、この物語の本筋の事件の起きた治承元年になり、花世は十五、光麻呂は十一の春を迎えた。

花世と光麻呂はよく似た姉弟で、光麻呂が下げ髪にしているときなどは姉とそっくりだった。花世の美容については、「かたちたぐひなく美しう御座まして、後のために似せ絵などとどめおかましう思ひける」