Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むもうだん

無毛談

坂口 安吾

Lesen Sie 無毛談 (むもうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.319 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

「キザなことは止せ。なんのために逃げ廻るんだ。まるで、オレが君を追い廻して、君に逃げ廻られてゞもいるような様子だね。なんのために逃げるんだ。ワケを言ってみろ」

ブスッとふくれて、返答しない。ぶつなり、殺すなり、勝手にしろ、という突きつめた最後の構えで、痴情裏切りの果とか、命にかけても身はまかされぬと示威する構えで、小娘のただの構えじゃない。こっちはワケが分らないから、たゞワケを言ってみろ、とネジこんでいるだけのことだから、こんな極度の構えで応対されては、寒気がする。イマイマしいけれども、これ以上、どうすることもできない。

あまりのことに、妹も半信半疑で、

「兄さん、ほんとに、何か、変なこと、したんじゃないの」

「バカぬかせ。あいつ、何か言ったのか」

「いゝえ、問いつめてみても、返答しないんです」

「あたりまえだ。ありもしないこと、言える筈がないにきまってる」

「だって、益々変よ。ちかごろは、お風呂へはいるとき、内側からカギをかけるのよ。ねる時も、女中部屋の障子にシンバリ棒をかけるんです。一方だけシンバリ棒をかけたって、一方の障子があくのに、バカな子ね。でも、そんな要心たゞ事じゃないでしょう。