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Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい

無題

宮本 百合子

Lesen Sie 無題 (むだい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.172 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども、怖ろしい。涙が出るほど恐ろしい。おお! 我が祖国よ!

祖国を縦に丈斯うやって考えて来る時、私は完く何とも云えない心持になる。何故なら、我友よ。此の心持は、人類が、存在の始めから思わずに居られなかった理想に、大きな悲劇を与え与えして来た Racial Feeling の根底が如何に深く、又如何に逃れ難いものであるかと云う事を、私自身の裡に明かに証明された事になるからなのである。

戦争と云うものが事実今日に於て在るのだから、無く仕ようとするのは夢想に過ぎないと云って、平和論者を嘲笑う人は、私の此等の言葉を聞いて、其見ろ、お前だって矢張り、自分が如何那に日本人だか今始めて解っただろう、どうだ! と云うかも知れない。

人間がそう云う心持を持って居るとしたら、その心持が戦争を起し、涙一つこぼさずに殺し合うのも亦当然では無いかと若しも云う人があったら、私は、敢然として否定しなければならない。

そう、人間は確かに祖国の土から、彼等の足を離す事は出来ない。人間である総ての者は彼等の祖国の土を思わずには居られない。

私は、日本人許りだと云うのではない。英吉利人だけだとは云わない。