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Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい(に)

無題(二)

宮本 百合子

Lesen Sie 無題(二) (むだい(に)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.972 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

と云う事を書いて居られる。

そういう心持を私は、こちらに来て、幾度も考えさせられた。領事館へ行って、うちの母の体がひどく悪いのだからと云って、話したとき、美濃部などは、何の注意もそれには向けなかった。そういう興亢した気分にある私をつかまえて、河原は、岩本さんの不幸を云った。各自が各自の事をのみ考えるのだ。私の母の生命などと云うものは、私以外のものにとっては此の遠いアメリカで、何の感動も起さないものなのである。私は其を此ほどまでに、実感した事はなかった。

サンフランシスコの名が与える、何処か、温い気分にも似ず、寒い、風のあらかった一日、

不幸そうな日本人

今中さんの親切。

シアトルに着くと、海岸の町は、一帯の霧雨にくもらされて居た。然し思ったよりもさむくはない。先に、来た時よりは、一階上の部屋に定って、私が立つまで僅か三四日の生活が始められた。

長い間、落付のない汽車旅行許りして来て、ゆっくり物を読む暇もなかった私共にとって、少くとも、三四日、誰からも邪魔をされずに、楽しくしずかな時を送れると思うと其は限りない快さだった。

元通り、仕上げの精巧なブロンズのスタンドの立って居るコーナー、しずかなメツアニン、一年前に、此処を通ったときは予想の仕様もなかったAと、今斯うやって居る――