Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい(じゅうに)

無題(十二)

宮本 百合子

Lesen Sie 無題(十二) (むだい(じゅうに)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.501 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

○のいる家から町の駅までは僅か数丁の距離しかないので、丁度その扇形の見晴らしを通過する頃どの汽車もスピードをおとした。過ぎて行く貨車の一つ一つ、客車の窓の一つ一つが見える。どの時間に通る列車でも客車は一杯だが、不思議なことに、満員乍らまだ十分客車に入れる予地があるのにステップのところや汽罐車の石炭の上にのっている人々がある。そういうところなら結局こまなくて楽だというのだろうか、ふだんには出来ないことを今は平気でやっていられるというところの面白さからだろうか。

今も雨をついてローカルが通った。八分どおりは満員だが、窓ガラスの中は比較的閑静で車室に人の立つあきはある。これはすいている と思って見ていると、やはりステップに立ってつかまっている人々がかなりある。しかも最後の車台が通りすぎようとしたとき 一人のカーキ色服の男が、最後尾の棒につかまって雨にぬれ乍ら外につら下っているのが目にとまった。

○河村の家ではきょう板じきに石臼を出して粉をひいている。

○きのうは鍛冶屋の仕事仕度

○黒ぶちの眼鏡にジャンパーを着た(水谷長三郎氏)が「世界稀な憲兵政治」をもって国民にのぞんだと云っている記事を、おどろきをもってよみかえした。