Japanische Klassiker mit Furigana
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えんとつとやなぎ
煙突と柳
小川 未明
Lesen Sie 煙突と柳 (えんとつとやなぎ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.104 Zeichen · 7 Bildschirme
テーブルの上には、カーネーションや、リリーや、らんの花などが盛られて、それらの草花の香気も混じって、なんともいえない、ちょうど南国の花園にいったときのような感じをさせるのであります。
私は、いろいろの人たちの旅行の話や、芝居の話や、音楽の話などを聞きます。雨や、風にいじめられていた私は、こうしていま蘇生っています。まだ、私は、これから先にも、いろいろのおもしろい有り様を見たり、話を聞くことができましょう――。
「どうか、お日さま、私のお願いをきいてください。こうして、私はいま幸福な身の上でありますけれど、春がき、夏にもなると、ふたたびだれも私を振り向いてくれません。私の腹の中はいつも空っぽになります。そして、下の暖炉の中には紙くずが詰まります。どうか私のお願いをきいてください。いつまでも冬のつづきますように……。なるたけ、あなたは、おそく歩いてくださるように。」と、煙突は、太陽に、身の上話をした後で、頼みました。
太陽は、あいかわらず、機嫌よくにこにこと笑っていました。
このとき、煙突の傍らに、しょんぼりと立っていた一本の柳の木がありました。いままで黙って煙突のいうことを聞いていましたが、急に太陽に向かって、訴えるようにいいました。