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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

その、世の中に金以外、女に用のないはずの文珠屋佐吉は、先日旅に出て帰宅ってからというものは、めっきり味気ない顔つきで、ことに今日は、じぶんの高札を見てすっかり腐ってしまったと言う。

いつもは、そんな文珠屋ではないのであるが。

たとえ鼻の先へ百本千本の十手が飛んでこようとも、どっかり胡坐で吐月峯を叩いていようという親分。高札なんどせせら笑って、かえって面白がってこそ文珠屋なのに。

ほかに理由があると睨んだ与助の推測どおり、心に思っている女があって、善良な生活が恋しくなったと言う告白だ。二十七の物思い――鬼瓦の文珠屋が恋風を引き込んだ。

山だろう――このあいだの山の旅で、何か知らねえが、おんなを見初めて来たのだ、と与助、おかしいが笑いもならず、それにしても、いったい何しに山などへ? と胸の隅で不審りながら、

「親分も焼きが廻った。女一匹で善心とやらに立ち返るようじゃあ、あっしもこころ細い。諦めやした。ようがす。あのほうの足アふっつり洗ってみっちりこの宿屋商売に身を入れよう。」

佐吉の性質を呑みこんでいるだけに、心得たやつで、考えている逆を言う。

そうあっさり賛成されてみると、佐吉は呆気ない顔つきで、だが、じぶんで言い出したことなので所在なさそうに、