Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
「おお、一同か。」
と、含み声で答えた。
「一同かじゃアありませんぜ、殿様。そこまで来ると、お姿を見失ったので、いま皆で大騒ぎをしていたところです。」
自分を、あの主人の、もう一人の弥四郎頭巾と間違えているのだと気がつくと、大次郎は、頭巾のなかでにっと微笑みながら、なおも声をつくることを忘れなかった。
「うむ。一と足先にそこらまで行ったのだが、誰も付いて来ておらんのに気がついたから、引っ返して来た。どうだな。これで揃っておるかな?」
と、彼は、真深に隠れた頭巾の下の眼で、連中を見まわす。
中で山路主計が、一歩進むように、
「それでは、今日、下谷へお出かけになるのは、お取り止めになったんで。」
「下谷へ?」
思わず大次郎は、訊き返す。主計はじめ一同は、不思議そうに、
「お忘れでございますか。あの娘と若造は、下谷練塀小路の法外流道場にいるとかとのことで、殿様は今日そちらへいらっしゃるというので、こうしてわれわれ一同出かけて来たのではございませんか。」
「うん、そうであったな。」
と、言いながら大次郎は、法外先生の仇のこの連中に逢ったのを幸い、また、彼らが自分をその首領の白頭巾と思い込んでいるのをいいことにして、しばらく身代りになり澄まし、彼らの欲するとおりに動いて、その内状をさぐって見るのも興あること――なによりの好機会