Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
」
法外先生、急に声をあらためて、
「若いぞ、大次郎!」
「おそれいりました。」
と頭を低げて、大次郎は今さらのように、隣室のけはい、縁の闇黒へ注意を払った。
お山荒れの先触れか、どうっ! と棟を揺すぶって、三国颪が過ぎる。
さっき猿の湯から帰ってきた侍たちが、真下の座敷で、胴間声で唄をうたいだしていた。
出羽守行状
「出羽守が人数を率いて狩猟をしたあとは、全村、暴風雨の渡ったあとのごとく、青い物ひとつとどめなかった惨状でござりました。」
血のにじむほど口びるを噛み締めながら、大次郎は、しんみりとつづけて、
「これは、千浪様のまえでははばかりますが、すこしでも見目のよい若い女で、出羽守に犯されずにすんだものはありませぬ。したがってその家老めら、取りまき家臣ら、猟り役人、勢子の末にいたるまで、役徳顔におんなをあらしまわり、田万里の村じゅう、老婆のほかは、ひとりとして逃れたものはござらぬ。まことに、口にもできぬことでござるが、人の母といわず、妻と言わず――これが年々歳々いつも猟りには付きもののこと! 今から思えば、村びと一同、よくあれまで踏みとどまったもので。