Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme
七年まえ。
それから、廃村に桃の花が散り、七年の星霜を閲した。
長ばなしを終った伴大次郎、女性のような美しい顔に、きっと眉を吊って、
「はは、ははははは、下らぬ因縁話に、思わず身が入りました。お耳をわずらわして、おそれいります。」
豁然と哄笑うと、千浪はまだ打ち解せぬ面持ち。
「御一家ははて、お故郷はそういうことになり、ほんとうに、御心中お察し申し上げます――ですけれど、大次郎様、この新しいつづら笠、いいえ、今夜これからこの闇黒の中を、夜みちをかけて、三里もある、三国ヶ嶽へお登りにならなければならないとおっしゃって、その理由はまだ、ちっともお説き明かし下さらないではございませんか。」
心配気に額部を曇らせて、千浪がそっと、戸外のやみに眼を配るとき、風は、いつの間にか烈しくなっていて――ぱら、ぱら、ぱらと屋根を打つ飛礫のような雨の一つ、ふたつ。
どうやらお山荒れは、免れないらしい。
階下の座敷の放歌乱舞は、夜ふけの静けさとともに高まって、まるで、藤屋を買いきったような騒ぎである。
「先刻の話、な、大次郎。」法外先生が、膝を進めて、「そちとその二人――つまり三人が、七年目ごとにこの三国ヶ嶽の頂上で落ち合おうという約束、あのことも千浪に語って聞かせい。