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Japanische Klassiker mit Furigana

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くまのでるかいこんち

熊の出る開墾地

佐左木 俊郎

Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

おい、僕の前で一つその嘘をついて見ろよ。」

「どうして、旦那様、旦那様の前でだけは……」

佐平は口尻を歪めて眼で媚笑いをしながら言った。

「誰の前だっていいじゃないか? うむ、一つやってみろよ。その名人振りを……」

「私も、種々の罪のねえ嘘はつきますが、併し、旦那様の前でだけは……他の人なら、ともかくも……」

「構わんと言ったら、他の人につくのこそやめねばいかん。併し、僕の前で、どれだけうまくやるか、試みにやる分には構わん。」

皆は顔を見合わせて、油を搾られている佐平を静かに眺めた。

「どうぞ、旦那様、御免なすって……」

佐平は巡査の背後へと逃げた。巡査は微笑みながら煙草に火をつけた。

「ほおっ!」

突然、佐平が叫んだ。佐平は巡査の背後から一間ばかりも、大狼狽に狼狽て後に退去った。顔は驚きの表情で緊張していた。皆が一斉に佐平の方を見た。佐平は眼をむいて巡査の背中に視線をやった。若い巡査は訝った。

「どうした? 佐平!」

「毛虫でがす! 大っきな!」

佐平は眼を釣りあげて口尻を曲げた。

「毛虫? どれ? どこだ?」

「旦那様の背中でがす。こんな、おっそろしい毛虫は、初めて見たな。