Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
」
藤沢は、岡本吾亮の不機嫌な顔に媚笑いをむけながらこう言って、その場を逃げたのだった。
併し、地主の藤沢は、なかなかそれだけでは諦めきれなかった。その翌年、彼は吾亮に隠れるようにして移住開墾者の間を廻った。彼等は苦しい中から、幾分かずつを返済することにしたのだった。吾亮はそのことを後で聞いて、ひどく憤慨した。
「藤沢さん。そりゃあんまりじゃないかね? もう一二年の間、あなた、待てないこと無かったでしょう。一体、最初私になんと約束したんだ?」
吾亮は事務所へ出掛けて行って地主に詰め寄った。
「まあ岡本さん、穏やかに……私は決して無理にと言うのじやなくて、出来るならと、まあ話の序に話したのが、うまく成功したようなわけで……ですから、今度のところは、どうぞまあ、穏やかに見逃がしておいて下さいな。」
こう言って地主は、吾亮の、鋭い詰問と憤激に燃える眼とから遁れてしまうのだった。
併し藤沢は、抑えている間は縮んでいる発条のように、手を放すとすぐに原状に戻って、まもなくその時の恐怖感を忘れてしまうのだった。彼は貸した食糧が順調に戻って来るようになると、また別の話を岡本吾亮にまで持って来た。