Japanische Klassiker mit Furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Lesen Sie 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.070 Zeichen · 31 Bildschirme
――いよいよ取り立てることになると、段当たり七十銭の小作料としても、七百五十町歩だから 750×7 が五千二百五十円。それから農具の貸し付けが十九軒だから 19×5 が九十五円。そのほかに、食糧として貸し付けた方から……。
突然、硝子窓の彼方に固い兵隊靴の足音がした。藤沢は算盤に手を置いたまま足音の方へ視線をむけた。半分ほど開いている硝子窓の彼方を、誰かが此方へむけて活溌に歩いて来た。右上がりの広い肩。眼深に冠った羅紗の頭巾。宵闇の中に黒い口髯が判然と浮かんで来た。
岡本吾亮だ! 藤沢はガンと眩暈を感じた。彼は立ち上がりながらテーブルの横に手を伸ばした。臆病な胸が急に騒ぎ出した。彼奴のために、また滅茶苦茶にされてしまう! 藤沢はテーブルの横から取り上げた猟銃をすぐ動悸の激しい胸に構えた。そして銃口を窓から突き出した。
「おい!馬鹿なことを止せ!」
吾亮は右腕を顔に当てながら叫んだ。同時に鉄砲の音が響いた。吾亮は蹌踉めいてばたりと倒れた。
藤沢は部屋の隅から毛皮の外套を取って出て行った。彼は震える手で、微かに動いている吾亮に毛皮の外套を着せた。そして彼は溜め息を吐いた。