Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もゆるほお

燃ゆる頬・聖家族

堀 辰雄

Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

どうもすこし扁桃腺をやられたらしい。そうして砂糖なしのポリッジは大へん不味かった。

私はこのホテル・エソワイアンには、四日ばかり泊った。三日目ごろからますますこのホテルの中の噎ぶような重い空気が私には我慢しきれなくなった。何ということなしに世間の空気が息苦しくなったあまりに、その息ぬきにわざとこんな世間から離れたようなホテルを選んで泊ったのであるけれど、このホテルの中のそういう空気は私を一そう窒息させそうにした。私はもっと新鮮な、そして気持のいい空気がほしくなった。私はとうとう須磨の方へ宿を替えることにした。

そうして私がこのホテルを立ち去ろうとする前に、最後に私の経験したいかにもこのホテルらしい異様なことは、一泊三円という約束だった宿泊料が四晩泊って十一円であったこと、それは何も特別に一円負けてくれたのではなしに、あの頭のすこし禿げかかったお人好しらしい主人が熱心に首をかしげて暗算した合計であったので、私は例の気まぐれから大いに愉快になり、すましてその通りに勘定を支払い、そしてそれだけ余分に私にはかなり無愛想だった支那人のボオイにチップを置いて来てやったことだった。