Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
私はその手紙を読みながら、膨れっ面をした。その手紙の終りの方には、お前が出発するとき、俥の上から、彼の方を見つめながら、今にも泣き出しそうな顔をしたことが、まるで田園小説のエピロオグのように書かれてあったから。しかし、私はその小説の感傷的な主人公たちをこっそり羨しがった。だが、何んだって彼は私になんかお前への恋を打明けたんだろう? それともそれは私への挑戦状のつもりだったのかしら? そうとすれば、その手紙は確かに効果的だった。
その手紙が私に最後の打撃を与えた。私は苦しがった。が、その苦しみが私をたまらなく魅したほど、その時分はまだ私も子供だった。私は好んでお前を諦めた。
私はその時分から、空腹者のようにがつがつと、詩や小説を読み出した。私はあらゆるスポオツから遠ざかった。私は見ちがえるようにメランコリックな少年になった。私の母が漸くそれを心配しだした。彼女は私の心の中をそれとなく捜る。そしてそこに二人の少女の影響を見つける。が、ああ、母の来るのは何時もあんまり遅すぎる!
私は或る日、突然、私のはいることになっている医科を止めて、文科にはいりたいことを母に訴えた。