Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくだんたいへいき
爆弾太平記
夢野 久作
Lesen Sie 爆弾太平記 (ばくだんたいへいき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.653 Zeichen · 98 Bildschirme
吾輩の本俸手当を全部タタキ込んでも建物の家賃と、タッタ一人の事務員の月給と、小使の給料に足りないのだから屁古垂れたよ……実際……。
ところが一方に吾輩が総督府を飛出して、水産組合を作ったという評判は、忽ちの中に全鮮へ伝わったらしいんだね。到る処から「おやじおやじ」の引張り凧だ。……行ってみると漁場の争奪、漁師の喧嘩、発動機船底曳網の横暴取締り、魚市場の揉め事、税金の陳情なぞ、あらん限りのイザコザを持ち掛けて来る上に、序だからというので子供の名附親から、嫁取り、婿取りの相談、養子の橋渡し、船の命名進水式、金比羅様、恵比須様の御勧請に到るまで、押すな押すなで殺到して来る。その忙しい事といったらお話にならない。
しかし吾輩は嬉しかった。何をいうにも内地から遥々の海上を吾輩が自身に水先案内して、それぞれの漁場に居付かせてやった、吾児同然の荒くれ漁師どもだ。その可愛さといったら何ともいえない。経費なんかはどうでもなれという気になって、東奔西走しているうちに妙なものだね。到る処の漁村の背後に青々、渺茫たる水田が拡がって行った。同時に漁獲がメキメキと増加して、総督府の統計に上る鯖だけでも、年額七百万円を超過するという勢いだ。